ELJEN
【Elisabeth】
story

ミヒャエル・クンツェ&ジルヴェスター・レヴァイ 作

19世紀末のオーストリア・ハンガリー帝国、ヨーロッパ随一の美貌を謳われたハプスブルク家の皇妃エリザベートの生涯と黄泉の帝王トート【死】の物語。


物語

ルイジ・ルキーニ、イタリア人テロリスト1898年9月10日エリザベート皇后殺害。約十年後刑務所独房内で自殺。
煉獄の裁判所では百年たった今でも「なぜ皇后を殺したか」尋問が繰り返されている。
ルキーニは皇后本人が【死】を望んだと主張、証人としてハプスブルク家を彼女とともに生きた人々の霊魂を呼び出す。


一幕

1853年、マクシミリアン公爵家では姉娘ヘレネと皇帝フランツ・ヨーゼフとの縁談に沸いている。しとやかなヘレネに対して妹娘エリザベートは自由奔放な「パパみたいに」に生きることを願う少女だった。
母ルドヴィカが親戚をあつめてヘレネと皇帝のお見合いを発表した日エリザベートはブランコから落ち意識を失う、黄泉の世界の入り口でエリザベートの魂にふれた【死】トートはエリザベートを愛してしまい、彼女を元の世界に戻す

バート・イッシュルで行われたフランツとヘレネの見合いでフランツは一緒に来ていたエリザベートを見初めてしまい彼女にプロポーズする。
結婚式ではエリザベートの父マックスと皇太后ゾフィが「結婚の失敗」を感じていた。
幸せそうにワルツを踊るフランツとエリザベート、そんなエリザベートにトートは「最後のダンス」は私の物と語りかける。

皇太后ゾフィはエリザベートに自分を殺してすべてを王家に捧げることが「皇后の努め」だと厳しく教育しようとする。
エリザベートはフランツに助けを求めるが、母親の意見は君のためになると取り合わなかった。エリザベートは自分の人生は「私だけ」のものだ自分の力で生きていくことを求める。
産まれた子供さえもゾフィに奪い取られたエリザベートはやがて自分の美貌が武器になると気がつく。フランツはそんなエリザベートにハンガリー訪問に同行することを求める。
エリザベートは子供を返す事を条件にハンガリーへ行く。しかし訪問先のハンガリーで取り戻した長女ゾフィをトートによって奪われてしまう。

ハンガリーでは独立を願う声が高まっていた。しかしエリザベートの美貌によりその声はエリザベートを讃える声に変わっていった。

フランスとの外交、財政の破綻、クリミア戦争、チフスの流行と問題を抱えて疲れ果てたフランツはエリザベートに救いを求めるが、長男ルドルフをまたしてもゾフィに奪い取られたエリザベートはゾフィか自分か、フランツに選択を迫る。

ウィーンの街でも騒動は起きていた。また、ハンガリー独立を目指すエルマーらオーストラリア内の反体制とくんで、赤ん坊にミルクもやれない日々を送っている市民たちを煽っていた。
ミルクはエリザベートの美貌を保つためミルク風呂に使われていた。

フランツはエリザベートの要求を受け入れると誓う。
共に歩んでいくことを決意するエリザベートだが同時に「私の人生は私のもの」と言い放つ。


二幕

独立運動に押されてついに皇帝フランツはハンガリーに自治権を認める。
エリザベートはハンガリー王妃となる。
人々はますますエリザベートの美しさに熱狂する。
エリザベートの発言力は日に日に強くなっていった。

宮廷では幼い皇太子ルドルフが母の愛に飢え孤独な日々を送っていた、トートはそんなルドルフに近づく。

また、皇太后ゾフィたちはは日に日に勢力を強めるエリザベートを何とか皇帝から遠ざけようと画策、娼婦マデレーネを皇帝の元に送り込む。マデレーネは「職業病」を持っていた。

エリザベートの体調に変調が現れる。原因が皇帝の不貞とトートから伝えられた彼女は絶望の淵に追いやられる。しかしトートの死への誘惑を拒み新たな人生をさまよいはじめる。

宮廷から逃れたい一心で。エリザベートの放浪の旅が始まる。フランツは後悔と悲しみに沈み彼女の帰りを待ち続ける。

そんな中で皇太子ルドルフは成人しハプスブルク崩壊を防ぐためにドナウ連邦を作るべきだとハンガリー独立運動に関わってゆく。
それが皇帝に知るところとなり皇位継承権も危うい物となる。

久しぶりに宮廷に帰ってきたエリザベートにルドルフは助けを求めるが拒絶される。
絶望したルドルフはトートに誘惑され、ついには自ら命を絶ってしまう。

ルドルフを失ったエリザベートはトートに救いを求めるが、トートは自分に愛ではなく逃げ場を求めるエリザベートを突き放す。

旅を続けるエリザベートの元に皇帝フランツが訪ねてくる。
フランツはウィーンに帰ってくるようにと懇願するが、「夜のボート」の様にすれ違うだけであった。

皇帝は夢を見る、その名も「悪夢」エリザベートの親戚たちの悲劇と狂気のオペラ、マエストロはトート

そして・・・トートから凶器のヤスリを渡されたルキーニは1989年9月10日、レマン湖ほとり新聞で偶然にエリザベート来訪を知り、エリザベートの左胸に凶器を突き刺す。

死によって求めていた自由を手に入れたエリザベートはトートと共に黄泉の世界へとゆく「私の命は私にゆだねる」と歌いながら。


わたしの個人的な東宝版観劇から読みとったあらあらすじです。解釈の違いもあるかもしれませんがご了承ください。